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富山地鉄14722号 Last Run(12)ラストランの終点へ。 [富山地方鉄道]

「電車は、ただいま東新庄駅を通過しております」
すっかり暗くなった車窓、車内には最後の放送が入ったのである。

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【2019年12月21日15時37分】 富山地鉄本線・舌山駅

曰く、鉄道車両の終わり方もいろいろ。

「車両火災で終点まで辿り着けなかったり...」
真冬の立山駅で車両火災が発生し、そのまま廃車になったのは、この14722号の僚車、
14721号のこと。そんな自虐ネタに車内にはドッと笑いが起きて。

「この電車は57年間、地元のお客様の足として走り続け、
 今日はこのように、この電車を愛する皆さまを運び、
 終点の電鉄富山駅にたどり着けるのは、本当に素晴らしい車輌であったと...」

東新庄駅から稲荷町駅を通過して、電鉄富山駅構内に入るところまで。
挨拶あり、電鉄富山駅での写真撮影に際しての注意もあり。車内放送の最後は
いたち川を渡って、電鉄富山駅に進入するところで「最後はオルゴールで...」



♪ 汽笛一声 ~

のオルゴールが最後に演奏されれば、最後の電鉄富山駅のホーム。

ちょっと長いが、東新庄駅から電鉄富山駅までの録音を。

残りディスク容量を気にせずにMP3ファイルを貼れるようになったのは、
書いていて気持ちよいところ...と、話が逸れているが。

ということで、最後の撮影タイムは上市駅。


……  ……

2019年12月21日(日)曇り

16時半、電車は上市駅に到着。進行方向が変わってモハ14722号車を先頭に
電鉄富山駅に向かうわけで、そのために数分間の停車時間。

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【2019年12月21日16時31分】 富山地鉄本線・上市駅

となりのホームには、宇奈月温泉ゆき第143列車が、この電車の到着を待っており。
もちろん、ホーム上には多くの人。それを掻き分けるようにして...

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【2019年12月21日16時32分】 富山地鉄本線・上市駅

反対側のクハ172号車側からも。

でも、この時間帯、すでに外は暗くなっており、手持ち撮影には厳しい状況だった。
ISO値を上げれば良かったのだが、気持ちばかりが焦ってしまって、ダイヤルを
捻る時間さえ惜しんで、EOSくんの手ブレ補正機能に全てを賭けたのだが...

結果は、パッと見に分かるくらいの“大惨敗”だった。
クハ172号車の顔を撮ったカット、どれもコレもはっきりわかる位の手ブレ写真。
これは、後で凹んだところでもあった。

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【2019年12月21日16時32分】 富山地鉄本線・上市駅

最後のエンド交換を前に、ブレーキハンドルやら運転時刻表やら...
多くの参加者のリクエストに応じてくれて、ホーム上にそれらを置いての撮影会。

<変態鉄>も、その輪の中に加わって。

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【2019年12月21日16時34分】 富山地鉄本線・上市駅

さぁ、まもなく発車時刻。これが最後の最後である。

上市駅を発車すると、この日の、Last Run のためにつくられたヘッドマーク、
そのオークションが開かれるのだった。



上市駅発車から、そのオークションが始まるところまでの車内の様子を
ご紹介したい。

この音声、冒頭の方に「『へ』?? 『へ』ですか!?」と若い車掌さんの声。

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今回のイベント用に用意されたフリーきっぷは定期券サイズの硬券。
順番に車掌さんが回ってきて、改札鋏と、それから地鉄特急全盛期のものと
思われる「検札鋏」。国鉄でも特急列車では車内改札の際に、指定席券に
鋏とかパンチ穴ではなく、刻印を入れることがあった。地鉄もかつては...
ということらしい。いまでは特急でもワンマン運転が当たり前になって。

『い』など、ほかの字を選ぶ人が多い中、『へ』をリクエストしたのが<変態鉄>。
11時の電鉄富山駅発車直後から始まったはずだが、最終盤になって<変態鉄>も
検札を受けることができたのである。

ちょうど、<変態鉄>が検札を受けているとき、車内放送を通して、この日の
ヘッドマークの“裏話”。

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【2019年12月21日11時12分】 富山地鉄本線・電鉄富山駅

実はこのヘッドマーク、リバーシブルだったのである。

出発前の電鉄富山駅にあったのが、コチラ。注目は最下部のコピー。
「燦然(さんぜん)とした走り永遠に…」である。

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【2019年12月21日14時20分】 富山地鉄本線・電鉄黒部駅

そして、電鉄黒部駅で停車中に撮ったもう1枚。
こちらは「矍鑠(かくしゃく)とした走り永遠に…」である。

さらに、地鉄でヘッドマークの円板を用意して。
そして、このデザインのシールを発注して...。でも、仕上がってきたシールが
ダブルデッカーエキスプレスの“副標”サイズで焦ったのだとか。

確かに、よく見れば余白が大きいデザインなのである。

<ケチ鉄>だから...というより、ヒコーキに乗るときに荷物になるので、
こういう“大物”には手を出さない<変態鉄>。
でも、オークションの模様は車内放送を通して“実況中継”され。

クハの車号に因んだ172円から始まったオークション、最終的に 36,500円という
何ともキリが良いというか...、高額での落札となったのだった。

……  ……

オークションが終われば、いつしか、電車は常願寺川鉄橋を渡って富山市街地へと。

カーブした東新庄駅のホームを通過するところで、冒頭の...
最後の車内放送が入ったのである。

最後に「鉄道唱歌」のオルゴールが演奏され...

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【2019年12月21日17時01分】 富山地鉄本線・電鉄富山駅

でも、<変態鉄>、その余韻に浸る余裕は無かったのである。

土休日ダイヤとはいえ、夕方の列車の発着が多くなる時間帯。
にもかかわらず、最後、稲荷町へと回送で引き上げる前に30分ほどの停車時間。
最後の撮影タイムになるとのことで。先頭ドア付近へ、ドアが開くのと同時に
車止めのところにカメラバックを置いて。

参加者が下車すると、方向幕が回って... (つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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